暗闇の中の子羊

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夜が来るというのに、

独りで群れからどんどん遠ざかりつつある子羊がいた。

 

子羊は、今まで自分が群れに隠れていたのは怖かったからだと気づいて、

群れに隠れている限りその怖さからは逃れられないのだということを知った。

 

毎晩、必ず誰かが狼にさらわれてゆく。

 

彼の父も母も兄弟たちもみなやられた。

 

今夜、自分の番が来ないとどうして言いきれるだろう?

 

群れの中央には最も強い羊たちが居て、

決して場所を譲ってはくれない。

 

誰もがその場所へ行きたくて、

群れの中では常に醜い争いが起きていた。

 

だから、群れ中にいる限り平安などなかった。

 

最も強くてずる賢い羊たちだけが、

そこへ行けるのだ。

 

だが、子羊はもう気づいていた。

 

最も強い羊ほど、

本当は恐れに取り憑かれた最も弱い羊なのだということを。

 

その証拠に、

彼らは安全なはずのその場所でいつも怯えているではないか。

 

彼らが心から安心して眠れる夜などきっと来ないだろう。

 

だが、だからといって、

この群れから離れて生きてくことなどできるのだろうか?

 

夕闇迫る今、迷える子羊の遥か前方には、

小さな光が見えていた。

 

そこに何があるのかわからない、

結局、何もないのかもしれない。

 

それでもいつしか子羊は、

その光の方へと歩み始めていた。

 

この道が正しいと確信できるほど、

行く先に見える光はまだ強くなかった。

 

今にも消え入りそうに瞬いている

あの小さな光を追いかけるよりも、

 

暗闇の中で身を寄せ合って、

いつものように震えながら、

 

必死で夜をやりすごそうとしている群れの仲間たちの中へと

戻った方がよいのではないか? 

 

今ならまだ間に合うのではないか?

 

一瞬、迷ったが、もう遅かった。

 

背後で狼たちの遠吠えが聞こえ、

容赦なく襲われる憐れな羊の悲鳴が聞こえ始めた。

 

もう戻ることもできなかった。

 

子羊はただ、光の方へと進み続けた。

 

今できることはそれだけだった。

 

その光のほかには暗闇しか見えない。

 

目の前には暗く深い崖が待ち構えているかもしれず、

また、独りはぐれた自分を狼たちが見つけて狙うかもしれなかった。

 

また悲鳴が聞こえる。

 

それはなぜだかさっきよりも近くで聞こえた気がする。

 

子羊は怖くて目を閉じた。

 

だが、光は目を閉じても消えなかった。

 

むしろ、大きく明るくなった気がする。

 

子羊は、その光が自分の外側にではなく、

内側に輝いているのだと知った。

 

また羊の悲鳴だ。

 

さっきよりさらに近い。

 

とても近い。

 

もしかすると、

襲われているのは自分かもしれなかった。

 

だが今、子羊の目には、

大きく広がった白い光のほか、何も見えなかった。

 

やがて子羊は自分が子羊だということを忘れた。

 

今、目の前には光がある。

 

それは広がり続け、限界もなく境界線もない。

 

今や彼こそが光そのものだった。

 

光と自分の間を隔てる暗闇はどこにもなかった。

 

もうそこに何の恐れもなかった。

 

狼の遠吠えも聞こえず、

羊たちの泣き叫ぶ声も聞こえない。

 

ただ、限りない静寂と平安だけがあった。

 

その光のことを、人は、

 

【愛】と呼び、

 

【自由】と呼び、

 

【幸せ】と呼び、

 

【喜び】と呼んでいるのだということを、

 

かつて自分のことを暗闇の中の子羊だと夢見ていた彼は、

もちろん知らなかった。

 

それは、ただの夢だった。

 

まばゆい光の中に一瞬現れて消えた、

馬鹿げた悪夢に過ぎなかった。

 

なぜなら、光(愛)の中に闇(恐れ)は

決して存在しえないのだから。

 

そんなことは、ありえないのだから。

 

彼はそれを思い出して、笑った。

 

 

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